増えるASD(自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群)たち
ここ近年になって急激に発達障害の社会的認知度が高まった理由として、「ASD(自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群)」という言葉がメディアなどで取り上げられるようになったことが挙げられます。
ネットスラングで言うところの「アスペ」と言われるもので、より正確に言うと「ASD」は「自閉症スペクトラム障害」のことを言い、「アスペルガー症候群」は「AS」と略されます。
しかし自閉症スペクトラム障害とアスペルガー症候群は全く別の症状ではなく、複合的な症状として発症することの方が多いため、この2つを厳密に区別する利点はそれほどありません。
まず「自閉症スペクトラム障害」とは何かということから説明をすると、現在最も一般的なのが国際的判断基準「DSM-Ⅳ」による診断基準です。
詳しくは公式サイトなどを見てもらいたいですが、ごくかいつまんで説明をすれば代表的な症状として「対人関係障害」と「コミュニケーション不全」さらに「特定の事物に対する強いこだわり」が挙げられます。
一方の「アスペルガー症候群」も同じく国際的判断基準のDSM-Ⅳに記載されており、「社会的な交流活動の質的障害」や「限定された行動や関心、行為の反復」さらに認知や言語において社会生活に支障がある場合のことをさします。
これらの症状は全ての診療機関で一定というわけではなく、病院や医師によって診療基準が異なることもよくあるのです。
自閉症やアスペルガー症候群の子供に見られる特徴
自閉症かどうかを診断する最も大きな基準の一つに「コミュニケーションがとれるかどうか」が挙げられます。
発達障害が重度な子供になると、名前を呼びかけても返事をすることがなく全く反応を示そうとしません。
しかし一方で自閉症と診断された子供の中にも話しかけられたときにきちんと返事をしたり、自分からまわりの人に関わりを持とうとしていく場合が見られます。
ただしそうした関わりを自分から持とうとする行動の反面で、一方的に自分の話ばかりを続けたり、同じことを反復して行ったりといったコミュニケーションの不全がしばしば見られるのです。
アスペルガー症候群はそうした自閉症と非常によく似た特徴を持っており、やはり人との関わりを持つのを苦手とし、周囲の変化に柔軟な対応ができません。
ただしアスペルガー症候群の場合、読み書きや計算といった知能に遅れがあることは少なく、むしろ特定の分野で強いこだわりを持って学習をすることから高い才能を発揮するケースもあります。
自閉症スペクトラムとアスペルガー症候群に共通しているのが婉曲的な表現の解釈が苦手で、言語外の雰囲気や習慣的なしきたりから行動を変化させることができない、という事です。
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