特定の学習分野の習得が著しく遅滞する症状
「LD(学習障害)」は特異的発達障害の代表的な症状の一つで、全体的な知能には問題はないものの、特定の分野にのみ著しい遅れが発生してしまうことを指します。
同じ特異的発達障害として分類されるものに「ADHD(注意欠陥多動性障害)」や「行為障害」があるのですが、それらが行動や情緒部分に起こる障害であるのに対し、「LD」は心理的発達の障害という点が違いです。
「LD」を持った有名人としてはハリウッドスターのトム・クルーズがおり、自身で子供の時にそれが原因のひどいいじめにあっていたと告白していました。
トム・クルーズの場合のLDは重度の「読字障害」で、アルファベットの「b」と「d」、「p」と「q」の区別を付けることができないといいます。
そのため役者になってから台本を読んでセリフを覚えるということが苦手で、録音をしながら覚えるという独自の対応方法をとっていたと語っています。
トム・クルーズが出演した映画を見たことがある人ならわかるように、外的には何ら障害がある人のようには見えません。
実際トム・クルーズは読字に障害はあったもののスポーツは子供の時からとても得意にしており、自分の得意分野を上手に伸ばしていったことで世界的なスターダムを駆け上がることができたのだと言えます。
他にも「LD」という診断基準が生まれる以前の偉人の中にもそうと思われる症状があった人物が複数見られており、子供の時から自分の能力にハンデがあることを自覚した上で長所を伸ばして成功したということが考えられます。
学習障害の種類と対策
学習障害にはトム・クルーズのような「読字障害」の他、「書字障害」や「算数障害」があります。
「読字障害」とは文字を読んで内容を理解するのが難しいというもので、朗読が非常にたどたどしかったり、言葉を省略したり行を飛ばして読んでしまったりします。
他にも症状によっては文字を読むことはできても内容を理解することができなかったり、指示語(あれ、それ、など)がどれを指しているのかがわからないということがあります。
「書字障害」は文字を書くことができないという障害です。
枠や線に合わせて文字を書くことができなかったり、文字のバランスが極端に悪かったりします。
いわゆる「鏡文字」という裏返しの字を書いてしまったり、作文をすることが苦手であることも大きな特徴です。
「算数障害」は計算能力が著しく低いという障害です。
数字を見てすぐにどちらが大きい数字か理解することができなかったり、足し算や引き算、掛け算、割り算の概念が理解できないといったことがあります。
これらは単に国語や算数の成績が悪いというものではなく、そもそもとして言葉や計算の概念を理解することができないというところに違いがあります。
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