「人と違う」ことに大きな悩みを感じる思春期
発達障害を持つ子供たちがそのことを深く悩むようになるのが思春期です。
定型発達をしている人であっても、中学生時代の13~15歳の思春期には自分自身について深く悩みを感じるようになるものですが、それが発達障害のある人ともなればなおさらでしょう。
子供の時には「子供だから」と許されてきた行動も、大人の入り口に差し掛かる思春期には大人としての振る舞いを多くの場面で求められるようになりますので、そこで他の人と同じように行動ができないということに違和感を感じてきます。
「自分は人とは違うのではないか?」「自分には当たり前のことができないのではないか?」という自分自身へ疑問を覚え始めることで必要以上に自分を責め、問題行動をとるようになってしまうということも珍しくありません。
中学生の時期によくある発達障害の症状が「ODD(反抗挑戦性障害)」です。
ODDは通常の反抗期とは異なり、親や教師といった目上の人間に対して過剰に反抗的・攻撃的な態度を取るようになることを指します。
詳しくは国際的判断基準であるアメリカ精神医学会のDSM-Ⅴに症状が記載されていますが、ざっくり説明をすると「怒りっぽく突然激高する」「周囲に挑戦的な言動をとる」「意地悪く執念深く恨みを持つ」といったことが挙げられます。
ODDは発達障害のある子供全てに発症するわけではなく、もともと発達障害傾向のある子供が児童虐待や過剰な抑圧を幼少期から受け続けることにより突然に発露することが多いです。
思春期ならではの性の悩みも深刻
小学校の高学年から中学生の時期にかけて、子供たちは性の意識が芽生えるようになります。
定型発達の子供にとっても性の悩みというのは解決しづらいものですが、生まれつきコミュニケーション能力に問題がある発達障害児においては、その解決はより困難を極めるものです。
アスペルガー症候群の子供の場合、人の気持を察したり相手の表情を読み取ったりすることが苦手であることから、好きな相手が出来てもうまくそのことを表現できません。
自分の中に起こった性衝動が何なのかがわからなかったり、その性衝動を恐れるあまり恋愛対象となる相手を極端に避けようとしたりする傾向があります。
反対に場の空気を読むということが苦手であることから、他の友人達があまり口にしないようにしている性の話題をはっきり口に出したりして周りを困られせる、といったことも起こります。
発達障害の子供を持つ親はそうした問題をあらかじめ想定し、性について正しい知識をあらかじめ丁寧に教えてあげるようにするとともに、あまり人の多いところでそうした話題を口にしてはいけないと教えてあげる事が大切です。
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