思春期の子供のうつ病が心配です
我が家には中学3年になる長女と中学1年の長男がいます。
子供の自殺などのニュースに触れるたびにうちの子は大丈夫だろうかと心配になります。
その事件のたびに、先生や家族、友達も、まわりの人たちは口をそろえて「まさかあの子が」とインタビューに答えています。
わが身に降りかからないとも限りませんので、他人事とは思えないのです。
特に、小学生の頃は学校での出来事や友達の話をよくしてくれていた長男は、部活から帰って食事がすむと、すぐに自分の部屋に入ってしまいます。
思春期を何とか無事に乗り越えさせてあげたいと考えているのですが、うつ病の兆候や事前に気が付いてあげるためのポイントなどを教えて頂けますか。
兆候に気づくポイントと予防
中学校に入り環境の変わった中学1年の息子さんと高校受験を控えた中学3年のお嬢さんの、2人の思春期のお子さんを持たれてご心配のことでしょう。
思春期には、友達関係のトラブル、試験の失敗、失恋など、次々に様々な出来事が起こります。
子供はそれによって成長していくのですが、初めて経験するショックな出来事は、つらく悲しいですよね。
もし、そのようなつらく悲しい状態が続けば「うつ病」になってしまいます。
うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減る病気です。
症状は、精神が不安定になり、無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですからできるだけ子供さんを注意深く観察して、うつ病のサインに早く気づいてあげることが必要です。
観察する主なポイントは、①何に対してもやる気がなくなる、②好きだったことにも興味がわかない、③食欲が増減する、④睡眠時間が増減する、⑤イライラして怒りっぽくなる、などです。
でも、なかなかわからないのが本当のように思います。
私はとにかく嫌われようが反発されようが、「愛情をもって子供に関わっていく」、「私はあなたを大事に思ってるよ、というメッセージを送り続ける」ことが、予防には大事ではないかと思います。
また愛情の押しつけをしないことも大切です。
子供のためを思って成績について小言を言ったり、褒めているつもりでプレッシャーをかけたりしていると、子供達は家でも安心できなくなってしまいます。
どういう風に接して欲しいのか、一度相談してみるといいですね。
怒ったり悲しんだりせずに、落ち着いて希望を聞くことが大切です。
お父さんとお母さんで希望の接し方が違うかもしれないので、定期的に、話し合いのメンバーを変えながら相談することが大切です。
あとは、睡眠不足にならないように、自然に早めに寝るよう仕向けるのもいいですね。
お風呂に入った後に安眠効果があるホットミルクを差し入れしたりとか、布団をふかふかの気持ちいいものにして、思わず布団に入りたくなるようにするのもいいでしょう。
予防には愛情が一番・治療には病院が一番!
うちも、積極的に関わることで乗り切りました。
「あなたは私たち家族にとってとても大切だ」「何があっても応援する」という気持ちが伝われば、少しの勇気にはなると思います。
先の方がポイントにあげられた状態が長く続いて、もしかしたら「うつ病」かもと思ったら、カウンセリング利用や病院受診をお勧めします。
うつ病の治療では、落ち込み緩和・睡眠改善の効果のある「抗うつ薬」や「抗不安薬」などが使われます。
ストレスを和らげたり、考え方を変化させたりするカウンセリングも行われます。
以前職場で、急にやる気がない状態になりそれが続いていた後輩にそれと気づかず、「頑張ろう!」などと励ましていたのは、逆効果でした。
うつ病と診断され、病院の治療で治りました。