万が一のためにノロウィルス感染時の食事を知っておきたい
保育園に通う5歳の男の子がいます。
先日、東京都渋谷区の保育園で、園児らのノロウイルスによる集団食中毒がありました。
このようなことがないように願うばかりですが、念のためにもし息子がノロウィルスに感染した時の対応を知っておきたいと思っています。
下痢・おう吐がきついらしいので、そんなとき何を食べて栄養を付ければ回復が早いのか教えてください。
まず脱水症状を防ぐための水分補給を
ノロウィルスにはインフルエンザのような特効薬がありませんので、適切な食事で完治を目指すことになります。
おう吐・下痢などノロウィルスの症状が出たときには、脱水症状を防ぐために水分の補給を最優先するようにしましょう。
スポーツドリンクなどを、胃腸の負担がないように5~10分間隔で1口のペースで切れ目なく補給します。
スポーツドリンクが飲みにくい場合は、水で薄めるなどの工夫をしてください。
ジュースや炭酸飲料は、胃腸に刺激となり、症状が悪化することがありますので避けましょう。
脱水症状を単なる「のどの渇き」と甘く見て放っておくと、意識障害、けいれん、血圧低下を引き起こして、最悪の場合、命に関わります。
水分でさえ口にできないほど重症化した場合は、すみやかに医療機関を受診してください。
病院では点滴による水分補給や栄養補給を行うことが可能ですので、水分が必要だからと言って無理に飲ませないように。
おう吐で食事を受け付けない場合、無理に食事を摂ることは、胃腸内の炎症を助長し症状を悪化させます。
1~2日くらい食事が食べられなくとも、身体に問題はないと考えて水分補給第一で。
おう吐が止まり食事ができる状態まで回復したら
①うどんやおかゆなど消化吸収の良いもの、②ビタミンやミネラルの豊富な「かぼちゃ・にんじん」などの緑黄色野菜や白身魚を軟らかく煮て「裏ごししたスープ」、③りんごなどの整腸作用のある果物をすりおろしたジュース、を少しずつ摂るようにします。
また、ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれており、腸の中で善玉菌として働いてくれるので、腸の修復、炎症の軽減に役立ちます。
一方、胃腸を刺激したり消化吸収に負担をかけたりするため、避けるべきものは、①「脂肪分の多い天ぷらや唐揚げなどの揚げ物」、「スナック菓子」②オレンジ・ミカンなどの柑橘類、などです。
また、便秘に効果があると言われる食物繊維を豊富に含む食物は、腸の働きを活性化させ、下痢をより悪化させてしまいます。
症状の改善が見られたからと言って、急に普通の食事に戻すのではなく、様子を見ながら数日間かけて、少しずつ普通の食事に戻していきます。
ノロウィルスの症状改善のためには、胃腸に負担をかけないことが基本です。